北京パラリンピック開会式のボレロ・・凄い。

ぃゃ〜、ちょっと凄いもん見ちまいました。
なんとなく見た、北京パラリンピック開会式。
北京五輪でも見せた、中国おとくいの人海戦術しまくり演出。
私が胸うたれたのは、その1コーナーの「ボレロ」群舞。
 
四川大地震で左脚を失った、幼いころからバレエを習ってたという、中国の少女。
白い、長めのロマンティック・チュチュ着て、赤いバレエシューズを捧げ持ち、想いをこめて右足に履く。
手首や肩の動きは、シロート目にもしなやかさに欠けるが、きちょうめんな動きが可憐。
 
少女を囲んだダンサーたちは、みんな手に手に白いバレエシューズ履いて、バレエの脚の動きを腕で表現する、みごとな群舞。
しかし凄いね、中国人の群舞は!動きがピタッとそろうのはもちろん、1人ひとりの音への瞬間的反応が凄い。
 
やがて、本職の男性バレエダンサー登場。ぞんぶんにプロらしいソロの踊りっぷり見せたあと、少女をいたわるように、アンサンブルで踊りはじめる・・
アナウンサー「彼女はいま、義足でバレエを踊る練習を始めてるそうです」
 
ボレロってなにしろ、名曲だから。すでにいい見本を、いくつも見てきた。
ジョルジュ・ドンはもちろん、トービル・ディーンの伝説のアイスダンスプルシェンコの傑作SP、いずれも「プロ中のプロが、最高の振付で踊る」ものだった気がする。
 
ボレロって、曲のテンポはずっと同じだけど、少しずつ楽器が加わって音に厚みが出て、曲そのものがいやでも盛り上がる作り。
だから、かなり高難度の振付と踊りでないと、曲の盛り上がりに勝てない。そういう曲のはずなんだけど。
 
北京パラリンピック開会式の「ボレロ」は、いままで私が見た(それほどたくさん見てないが・・)中で、いちばん素朴だった。
もちろん群舞や男性バレエダンサーは素晴しかったけど、中心にいるのは、アマチュアの少女。つまり、「一途さ」とか「ひたむきさ」。それを表現するにも、ボレロって、じつによく似合う曲だったんだなあ!
そうか、こういう素朴なボレロもありだったか・・。うまくいえないけど、そういう新鮮なおどろき。う〜む、いいものを見た!