亡くなりましたね〜、ブロンソン
やはり、まっさきに思い出すのは、『荒野の7人』。村の子どもに笛つくってやり、さいごはその子たちをかばって死ぬ、アルベルト。
大脱走』ではシャワー・シーンでたくましい上半身を見せつけて。かと思うと暗所恐怖症で、トンネル通って逃げる自信ないからオレは残る、と泣き、同僚に「明日(=脱走当日)はオレがいっしょにいるから」と励まされてたのが印象的でしたっけ。
マックイン、コバーンとともに、この歴史的大作、両方に出られた、運のいい人。 『荒野の7人』にだけ出てたR・ボーン(主役の7人のうち生き残ってるのはもう、この人だけだそうだ)、『大脱走』にだけ出てたマッカラム・・と考えると、『ナポレオン・ソロ』が、あの時代の申し子だったことが判る。
映画も、テレビもともに、まばゆいまでの黄金期。
『ナポ・ソロ』にハマるわけだよな>自分。思わず遠い眼・・( ’_’)
 
そして忘れられない、「ん〜、マンダム」のCM。あのCMって、大林宣彦が撮ったそうです。(「へぇ〜」とか言いつつ、右手パタパタしないでね。最近そういう奴が多すぎてウンザリしてんだ☆)
 
でも、私がいちばん印象に残ってるブロンソンは、『雨の訪問者』って映画。
舞台はフランス。とある娘が、雨の日に家にやってきた男に、乱暴されてしまう。
こんなきわどいシーンが、気品があって、びっくりするほど美しく撮られてたっけな。そういう意味では、ヒチコックの『フレンジー』に匹敵する。いい監督さんが、上手に撮影するとこうなる、って見本のようだった。この娘は、怒りと、もののはずみで、直後にレイプ犯を殺してしまい、その死体を隠す。
このレイプ犯は他でもヤバいことやってたらしく、ゆくえを追う、刑事だか、探偵だかが現れる。この役がブロンソン。ずいぶんまえに見たきりなんで、こまかいとこは忘れてしまったが。この男が、真相をさぐろうとして、娘にしつこくからむ。
 
はじめて会ったとき、この娘が「LOVE LOVE」と書かれたエプロンしてたもんで、男はこの娘を勝手に「ラブラブ」って愛称で呼ぶのね。このときのブロンソンの吹替が、森山周一郎さんだった。あの刑事コジャックのしぶい声で「おい、ラブラブ」とか言われると、インパクトありましたぜ〜(^o^)゛
 
この男、クルミを持ち歩いて、むいてはむさぼり喰うクセがある。そして窓ぎわで、ふり向きもせずその殻を、ぽいぽい肩ごしに放りすてる。(ちなみにこの家の窓はフランス窓という、窓と扉をかねたような、ガラスだらけのシロモノ。これがミソ)
「この殻がガラスに当たったら、恋してるってことなんだ。見ろ、オレは1つも当たりゃしねえ」・・とか言いつつ。じっさい、いくら投げても、すべて窓ワクにぶつかる。いかにもハードボイルド。
 
男は、しだいと真相に近づく。そしてだんだん、それをあばいてはならない気分になってゆく。娘は、仲のよくなかった母親と和解し、母親のもとへと帰ってゆく。それは同時に、男との別れでもあった。
 
娘と別れたあと、なにげなくポケットに手を入れると、1つだけ残ってたクルミ。無意識にそれをむき、いつものように肩ごしに殻を放りすて・・。
つぎの瞬間、ガシャーン! とガラスの割れる音。ハッとして男はふり向く。
これが、幕切れ。たぶんこんな結末になるだろうとは思いつつ、うまい映画だったなあ。
 
それにしてもいつから“追悼番組放送”って、なくなっちゃったんでしょうか。いくらレンタル・ビデオが発達したとはいえ。わざわざビデオ屋に出かけるほどではないけど、追悼をきっかけに、ちょっと見たい役者、見たい映画って、あるもんです。私にとってブロンソンって、そういう存在。でもまあ、こんどビデオの割引日に『大脱走』借りてこよう。イリヤことマッカラム様、見たいし♪
 
マッカラムで思い出した。『雨の訪問者』もそうだったが、ブロンソンは一時期、自分のカミサンといっしょに映画に出たがるんで有名だった。(クリント・イーストウッドもそんな時期があったな)このカミサンが、じつはマッカラム様の、カミサンだった人。うわさでは、横取りしたとか?子どもたちの髪の色を見ると、どっちの子か、ひとめで判るそうな(爆)
 
で、えーと・・合掌。←わざとらしい一言(^△^;)゛