いや〜眠くて眠くて、ときどき意識がとぎれたが、実況で見てた甲斐あった。あれは、オーラスの日本選手の鉄棒場面だけ見ても、あの異様な緊張感は伝わるもんじゃござんせん。
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ロシア選手が、あん馬で途中落下し、本人もぼうぜん。
場内しずまりかえる。
控えにいるロシア選手が、緊張してるのかブルゾンのジッパーとちゅうで引っかかり、なかなか上げられず、それをずーっと映してるカメラに気づいて苦笑する。
中国の選手が鉄棒で落下、コーチ必死でその体をうけとめる。
要素を入れるため、演技やりなおす。客席からあたたかい拍手。
日本の冨田選手が、跳馬できれいな着地したのに、思ったほど点が出ず、場内いっせいにブーイング。
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日本じりじり追い上げ、僅差でむかえたラストの鉄棒競技。
ルーマニアの選手、「大事に行こう」と両手の感覚をせまくしすぎて手をすべらせ、落下。
とたんに、場内の空気が異様なほど重くなる。
つづく暫定3位アメリカの選手、ややあぶない体勢で跳んだため、要素をとばしてしまう。
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失敗つづきのあと、さいごに、日本選手登場。
「冨田が冨田であることを証明すれば、日本は勝ちます!」例によって名調子の、実況の刈谷アナ。
テレビの前から逃げ出したくなるほど、息苦しい緊張感。
トップの選手が高難度の技を成功させた瞬間から、鳥肌立った。
あとはもう成功するごとに泣きっぱなし。夜中なのに拍手しまくり。
実況の小西さんという人、優勝の瞬間「金メダルを知らない子どもたちなんですよね・・」涙声で言ったきり、しばし絶句。
「小西さん、思いきり泣いてください」と刈谷アナ。
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ささいな要素、なにもかもが、伏線のよう。じっくり作り込んだ映画でも見たような余韻。
もう一度アタマからぜんぶ見直したいが、すでに結果が判ってしまっては、あのスリリングな気分は味わえまい。
いや〜、いいものを見た♪