このまえNHKの特番で、こんな話を聞いた。
韓国は資源のとぼしい国で、自動車ぐらいしか輸出できない。これは競争相手が多すぎ、将来があやうい。だから国家がバックアップして、ディレクター養成校をつくったり、制作費を出したりして、いわば国がパトロンになって、世界に向けた「娯楽輸出」をやってんだと。日本は、そのいちばんの標的。その結果がどうなったかは、いまさら言うまでもあるまい。
つくづく韓国とは、「危機感のちがい」を感じる。キーワードは「徴兵制」だろうな。あの過熱する大学進学(大学に入れば徴兵されない)、大規模な入試の集団カンニング、徴兵のがれの「逆ドーピング」。ネットの発展だって、コンピュータに関わる仕事についてれば徴兵されないって事情があるからだそうじゃないか。
いや、非難するわけじゃない。むしろ「資源のとぼしい」「自動車産業ぐらいしか輸出できない、将来はあやうい」って、条件はおなじのどっかの国より、よっぽど先を見る眼があるよな。
 
・・とまあ、カタい話はこのくらいにして。
ぢつは私、一世を風靡してる『冬ソナ』、一度も見てない。というより、韓国ドラマって1本も見てない。理由はひとつ。「恋愛モノに興味ないから」・・これに尽きる。
いわゆる“甘いマスク”のイケメンてのも好かん。なんかこう、韓国のスターってのはみんな、ふたむかし前の少女マンガに出てきた男のコ、ってかんじでな。だからこそ、そういうマンガを読んで育ってきた世代も熱中するんだろうけど・・。
まっ、日本じゅうに1人ぐらい、こういう奴がいてもよかろう。
 
そんな私でさえ、映画『シュリ』だけは見て、感心した。
これは女スナイパーが出てくるし(『スターリングラード』あたりより、よほどスナイパーらしくて満足)、爆破予告と、それを阻止するハラハラドキドキはハリウッド映画ばり、文句なしの面白さ。“シュリ”って魚の、伏線としての使いかた。南北に引き裂かれた国の苦悩と、恋愛を盛りこんだ余韻のせつなさ。
その中でも、北朝鮮側のボス役だった役者さんの、みごとだったこと。死にっぷりのかっこよさ。名前もおぼえてないのに、惚れこんじまった。
 
で、そのボス役だった役者さんが主演してるという『オールド・ボーイ』。
これを、数週まえ『虎ノ門』の「こちトラ自腹じゃ!」で、あの辛口の井筒監督がベタぼめしてたんだな。理由もわからずラチられ15年も監禁され、いきなりまた解放され・・なんて、あらすじ聞いただけで面白そうだしな〜。
ただ、そうとうエゲツない暴力シーンがあって、すさまじい結末らしいんで、どうも見る決心がつかん。
(『OZ』なんか毎週見てて、暴力シーンがやだもないもんだ、と自分でも思う。が、ベトナム戦争いらいの傾向、ハリウッド作“人体破壊映画”にはウンザリしてる、ってのが本音。とくに作る側がCG駆使して得意げで、妙に陶酔してて、しかも内容がない映画には、吐気がする。
ハリウッドがやり尽くしてるようなことを、韓国映画でまでやる必要、あるんか?)
 
オールド・ボーイ』に話をもどすと、井筒カントクいわく「あの結末はギリシャ悲劇だ・・」てんだけど。
原作は日本のコミックだそうだが、結末はぜんぜん違うらしいし。
ネットで情報あつめしたいが、結末のネタばれが恐くて、それもやだし。
う゛〜、どうしよう・・☆
・・というわけで「韓流」の国家戦略ってのは、恋愛モノに興味ないって言い張る私みたいのも、しっかり巻き込む。さすがですね〜、というお話でした。