アイルランドの子守唄・・?

ただでさえ、きわめつけに過激なドロ沼ドラマ『OZ』。
さいきんますます汚染度が進み、瘴気(しょうき)というか、メタンガスが噴き出てる感じになってきた・・。
そのドロ沼にぽっかり咲く、一輪の可愛いひまわり。シリル・オライリー。かれの出番がもうじき終りそうな予感がして、気が気じゃない。
かれを私はひそかに「導火線つきの天使」って呼んでるが、この天使、見るたびに導火線が短くなってきてる気がする・・☆
 
ほんとならシリルはとっくに病院送りになってるはずが「いまライアン兄ちゃんから引き離してもいいことない」「しかしオライリー兄弟は両方とも終身刑」・・てなわけで、いっしょに刑務所を出たい、引き離されたくない一心で、この兄弟は新薬の実験台を志願する。
これがとんでもねー薬で、人工的にきょくたんに老化を早める作用をもつ。たとえば20歳で懲役20年の刑をうけた罪人を、あっというまに40歳にして、懲役刑をチャラにするって実験らしい。きょうび刑務所も満員だっていうからなあ。
この実験のおかげで、シリルはいきなり白髪になってしまった。背中まで伸びた、くりくり巻毛の金髪だったのに〜(T△T)
めったに出番ない子なのに、珍しくチラッと予告に出てたのも不安。シリルの出番が終ったらもう見ね〜ぞ、こんな殺風景なドラマ!(まさしく“殺風景”。なにしろ毎回、だれかしら殺されるんだもんな☆)
 
それはともかく。♯36『武装』の回。
白髪になっちゃったシリルが、夜眠れないままに「ママが歌ってくれた歌がどうしても思い出せない・・」と、ぐずる。すると、ふだんは凶暴なライアン兄ちゃんが、自分のベッドから降りてきて、弟シリルに添い寝して、子守唄を歌ってやる・・。
おお、これはたしか『アイリッシュ・ララバイ』じゃないか! まさか『OZ』で、こんななつかしい歌が聴けるとは、夢にも思わなかった。
 
「♪トゥーラルーラ ルラー トゥーラルーラ ルー」ってサビが印象的なこの曲は、たしか『我が道を往く』って古い映画で使われてた。ダニー・ケイが牧師役やってたっけ。20年も前にいちど見たっきりなんで、さすがによくおぼえてない。モノクロだったから、そうとう古い時代の映画なのはたしかだ。
作家の北杜夫が好きな曲で、あの人は自分で“ソウウツ病”だって言ってるが、その“ソウ状態”のとき『徹子の部屋』に出てきて歌ってたのが、この曲じゃなかったか?
 
そもそもシリルが凶暴になったのは、ママが若くして癌で亡くなったのが、すごいトラウマになってるせいなのが、言動のはしばしに見える。
シリルの、男としては細くて豊かな金髪や、小動物のような可愛い眼もとは、たぶん母親ゆずりだろう。オライリーって、なるほどアイルランド系らしい苗字だし。
しかしアイルランド美人ていえば、赤髪で緑の眼じゃなかったっけ? 金髪美人ていたっけ? ・・と、かぎりなく想像を刺激されてしまった。回想シーンにも出てこない、シリルのママのすがたが、だんだん見えてきた。
見る人によって好き嫌いは分れるだろうけど、やっぱり『OZ』は大したドラマだと思う。それは判ってるけど、でもシリルの出番が終ったら・・・・(以下∞)