p1**[海外ドラマ・モンク]

(このテーマについて、もっとちゃんと書きたくなったんで、前ページから一部独立させました)
さいきん『名探偵モンク』にハマってる。ノリが軽く、人間関係はあっさり、見てて疲れない。『ジェシカおばさん』ぽい、上品な推理モノ。『ER』『OZ』のリアル路線もいいが、疲れてる時は、重くてな・・☆
 
「MONK」とは、「修道僧」のこと。その名のとおり、徹底したケッペキ症。
歯をみがくときは歯ブラシを熱湯消毒し、握手したあとは必ず除菌ティッシュで手をふく(おかげで黒人に差別主義者と誤解され、怒らせてしまったりする)。はじめて行く家では、壁のレンガの数を数えはじめる。海辺へバカンスに行っても、海水パンツの上からスーツを着、帽子とサングラスかけ、完全防備でイスに寝そべるしまつ。
 
かれがこうなってしまったのは、愛妻トルーディが謎の死をとげ、しかも犯人が見つからないという悲しい過去のせい。刑事だったのに、ショックのあまり休職、そのうち極端なケッペキ症になってしまった。しかし敏腕だったため、元の職場からお声がかかり、看護婦のシャローナ(小学生くらいの1人息子がいるが、現在ダンナはいないもよう)を助手につけてもらい、いまは警察の顧問探偵という身分。
ケッペキ症になるだけあり、せんさいな神経のもちぬし。ちらっと見ただけ聞いただけで、すごい推理力を働かせる。推理力というか、子どものような観察力、かな。(発想のユニークさは、泡坂妻夫の“亜愛一郎シリーズ”に一脈通じる)
たとえば、シャローナとその息子と3人で遊園地に行ったとき、ゼリービーンズのいっぱい入ったケースの数当てクイズをやってる。すぐにモンクは、ほぼ正解に近い数字を答える。なぜ判ったか訊かれ「遊園地のゴミ箱に○○個入りのゼリービーンズの箱が○個捨ててあった。係員が少しつまみ喰いしたとして○個ほど引いて」・・万事、こんな調子。
 
主人公の、ていねいな演技がいい。どこもさわりたくない様子で手をひろげ、やや不安そうに内またで立ってるすがたは、ちょっと“ミスター・ビーン”に似てる。
元の職場の刑事、ストットルマイヤー警部とディッシャー警部補が、2人とも英国的なふんいきなのがいい。はじめて見たときは、英国舞台かと思ったほど。
かたや女性は、いい意味で米国的。亡き妻トルーディは見事な金髪美女。助手のシャローナは、くるくる巻毛で元気、ぶつぶつ言いつつ面倒見よく、すごくキュート。英国には、こういうタイプの美女って、あまりいないもんなあ。
 
作品の舞台は、サンフランシスコ(OPで金門橋が映る)。こういう風変りな主人公の話は、シスコ舞台だとハマる。上流育ちの弁護士と、フラワー・チルドレンの娘が結婚した『ダーマ&グレッグ』も、そうだったように。ゴールド・ラッシュの昔から、シスコはどんな人間も受け入れるフトコロ深さがあって、住みやすいんだろう。じっさい、ゲイの人口も多いそうだ。
 
テーマ曲は、ランディ・ニューマン。これがまたいい。R・レッドフォードの野球映画『ナチュラル』、ピクサーのアニメ『トイ・ストーリー』シリーズのテーマなんかも手がけた人。南部風の、軽やかで、あたたかい音楽を作る。『モンク』のテーマも、トロンとした感じのギターの音、はずむようなリズムが素敵。
毎朝5時は録画しないとつらいけど、毎週火曜よる10時にも放送してるので、いちど見てみることをおすすめします(^.^9 (BS−2)

よりくわしい情報はこちら→ http://www3.nhk.or.jp/kaigai/monk/