ハルとナツ

のっけから、ハシダスガコ節、さくれつ。
孫をつれて故郷へ旅するばあちゃん。孫に向かってえんえん思い出を語る。
ド根性ではい上がり、成功し、裕福な老後。一代で築いた会社をたくすには、出来の悪すぎる長男。
(孫はかならず、いまどきの子にしては素直、ばあちゃん孝行である。この孫役が、すっかりイイ男になった今井翼くん。磔刑像つき銀クロスがお似合い♪)
回想シーン。雪ぶかい故郷。いろりばた。粗末な衣装だが、楽しげに笑う母子。いじわるな親戚。
移民船の出る波止場。互いの名を呼びあい、泣きさけびながら引きはなされる、9歳と7歳の、なかよし姉妹。
 
・・・なぁ〜んか、『おしん』をもう1回、見てるみたいやな〜。チョイ役で、泉ピン子も出てたし。状況説明ぽいセリフ多いよな〜。
などと思いつつ、泣いた、泣いた。
 
暗さ、重さにヘキエキしつつ、これは見とどけなくては、と思った。
笠戸丸でブラジルに渡った移民たちが、どれほど悲惨なめにあったかは、ウワサには聞いてる、ドキュメンタリーで見たことはあるけど。ドラマとして、映像で見るのは、はじめてかも。
日本人としての遺伝子が喰いついた感じ。どれほどすぐれた海外ドラマ見ても、こんな感触はない。こんな気分で見るドラマって、上川隆也大地の子』いらいかも。
なんか、開高健オーパ!』(ブラジル篇)と、北海道開拓民の話『ロビンソンの末裔』あたり、猛然と読みかえしたくなってきた。
「死んではいませんが、生きてもいません。」
あ〜、また泣けてきたし:o(>_<。)