なぜ真央ちゃんは、トリノに出られないか?

なぜ日本スケート連盟は、ISUに提訴すらしないのか?
なぜ、真央ちゃんを出してくれと提訴することが「1人のために他の代表3人を殺す」ことになるのか?(提訴する=出場辞退がかかってる、ってこと? どうして?)
 
説明不足だと思う。
新聞記事を、じっくり読んだ。そして、考えた。
 
誰でも味わう、Jrからシニアへ移行するときに、ぶつかる壁。
たぶん周囲は、「どうせトリノには齢も足りないし、今のうちにその壁にぶつからせて、経験を積ませとこう」と予定してたように思う。
ダメモトのつもりで、GPシリーズに出してみた。
そしたら、善戦どころか、いきなりGPFで優勝してしまった!!
 
ケガもなく、ほぼノーミスだった、ソルトレイク銀メダリストの、スルツカヤに勝ったのだぞ!
(これ、あちこちに書いたが、ここでも書いておく)
GPFに出られたのに、なぜトリノ五輪はダメなの?
あれ見たら、だれだってそう思うはず。
 
「15歳ではジャンプだけ。表現力・迫力が足りず、TV受けしない」と、新聞はいう。・・そうだろうか?
タラ・リピンスキー(長野五輪、15歳で優勝)の、小柄な体から火を噴くような烈しいスピンは、ジャンプより今なお、眼にやきついてる。
かたや真央ちゃんの、回りはじめたとたん軸の取れてる、きれいなスピン。
バレエで鍛えた、絵になるトウ・ステップ。
とくにFP『くるみ割り人形』、みごとに音と一体化した動き、表現力。
ちゃんと見てから発言してるのか? って訊きたくなる。
 
「大人になりきらない体で、過度の練習を積むのは、骨に悪影響が」
なんていうなら、19歳越すまで絶対シニアに上がれないルールにせい!
 
「多くの選手の利益になるなら検討するが、一個人の為には無理」
というが、これが米国や、欧州の選手だったら、どうだったろう?
1人の選手の現在を、本気で心配してやれないような団体が、多くの選手の利益になら、なれるって〜のか!?
 
・・けっきょく、新聞読んでも、どの意見にも納得できなかった。
 
大丈夫、真央ちゃんなら。
あれほどの大才能の持ちぬしなら、4年たったら、もっともっと素晴しい選手になってるはず。背が伸びたって、飛べるよ。あせらず、じっくり育てよう。
そういう意見も、よく判る。正論てやつだろう。
 
が・・私の脳裏をよぎるのは、ソルトレイクで涙の金メダリストになった、ヤグディンのこと。
それこそ、はかりしれない大才能の持ちぬしだった彼は、ソルトレイクの翌季、生れつき脚の骨のはまり方が浅いから、脚の痛みが引かないって事情で、あっけなくアマ競技の世界からすがたを消した。忘れようったって忘れられない、残酷な事実。
花の命はみじかい、スケーターも、また・・。
縁起でもないこと言うようで申しわけないが、本当にこの世界、なにが起こるか判らない。4年なんて、長すぎるかも。
 
それを思うと、やはり真央ちゃんは、いま、トリノの舞台に立つべきだ、と思ってしまう。
トリノ出場のプレッシャーがないから勝てるんだ」という意見もあるようだが、そんなこと、出してみないと判らないじゃない?
 
このままでは、真央ちゃんぬきで代表に選ばれた3人が、もしトリノで成績がふるわなかった場合、「ほらみろ、浅田を出さないからだ」と言われはしないか?
また、トリノで優勝した選手も「でも、GPF優勝者が不参加の五輪だもんね〜」と、言われはしないか?
それが、選手たちのプレッシャーにならないと思うか?
これは浅田真央、一個人のためだけの問題じゃ、ない。
 
提訴してみた、でもISUが石頭で却下された・・って形をつくらないと、日本スケート連盟は、やるだけのことはやりましたって、言えないのではないか。
お願いします。やるだけのことは、やってあげてください。
選手の権利を守るためにある、団体なんですから。