真相・ウィトルジーという女−2

☆暴動鎮圧・そのとき何が起こったか?(筆者の想像・つづき)
 
・一方、エム・シティ中心の司令塔には、モスレム一派がいた。
 その長・サイードの手には、バリケードの中で、唯一の銃が。
 彼はよからぬ者のものにならないよう、銃をそっと隠れ場に置く。
 サイードと、彼の仲間は、一網打尽に連行されていった。
 
・物かげから一部始終を見ていたロス、一か八か、隠れ場を手探りしてみる。読みどおり、銃をみつけた彼は、入口へと向かう。
 入口へ向かったのは、少しでも明るい場所なら安全と思ったからだろうし、どさくさまぎれに脱走できる? とまでは思わなかったとしても、ウィトルジーのことが、いくらか気になったかも?(彼にとって、まだウィトルジーは、利用価値があったはず)
 
・ところが入口付近では、ウィトルジーが、マクマナスと抱き合ってる。ロスは逆上し、かれの気配に気づいてふり向いたマクマナスを、いきなり撃つ。・・マクマナス、左胸を撃たれ、倒れる。
 
・とっさにウィトルジー、ロスを撃ち返す。
 まず頭を狙うあたり、射撃のプロのセオリーですな・・。
 次に、胸に一発。これが「苦痛を長引かせないため、慈悲の一撃」
 などでないことは、さいごに股間を撃ってることで、判る。
 
股間を撃つ、なんてのは、相手によほど強烈な侮辱を加えたいか、
 性的に恨みがある場合だろう。
 (この事実からも、ロスを撃ったのは、ウィトルジーだと判る)
 かつて夫について狩りに行き、うっかり撃った鹿を抱き上げ、ごめんね、と泣いて謝った彼女は、もういない。
 ロスを撃った銃を、どこかに隠す冷静さすら、彼女にはあった。
 
・しかし、ことが済むと「周囲がおちつくまで、瀕死のマクマナスを胸に抱いて隠れてた」と彼女が言ってたのは、たぶん本当だろう。
 この時には「花が散るのを見るのもいや」と言ってた、彼女本来のやさしさが戻ってきてたんだろう。
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細かい事情はさておき、彼女が犯人であると、調査員は見ぬく。
彼女は「そう、私が犯人」と認めるかわり、こんな啖呵をきる。
 
「私は、くだらないことも、たくさんしてきた。
 でも、そんなこともすべて、私の一部なの。
 自分を責めない。後悔もしない。ただ、前に進むだけ」
 
ちょうどウツっぽい時期に見たんで、この一言は、効いた。
いまだに凹むと、このセリフをつぶやいてたりする・・。
あっぱれな女だな、ウィトルジー。いい女と呼ぶには過激すぎるが。
(この項、終り)
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シリル、クリスと、キャラも出揃い、『OZ』はさらに充実ですな♪
年内の更新は、以上です。皆さま、来年もよろしく!!