なぜ「グラ」ではなかったのか?

私は、いまのヤグディンなら「グラディエイター」を演じた方がよかった、という意見です。理由は、2つあります。
 
 >ぷーさん
「ヤグが筋肉のついた大人の体形に変わった」というのは、
たしかにおっしゃる通りです。
ソルトレイク・シーズンのヤグディンは、肩や、腕のラインに、
まだ“少年”と呼べる気配を残していましたね。
徹底的に絞りこんで、頬のそげたラインともあいまって、
「バスチーユの高貴な囚人」という役作りに、一役買ってました。
 
だからこそ、なんです。
だからこそ、いまの彼にはもう、あの“役”は演じられない。
あのときほど「捕われの王子」になることは、もう出来ないんです。
 
「グラディエイター」も素晴しい演技でしたが、あれは、ほこりっぽい灼熱の競技場が見えてくる、というほどではなかった。
そこが、「仮面」との大きなちがい。
 
理由その2。
剣闘士という人たちは、たくさん居たはず。
だからこそ、どんな年代、どんな体形であろうが、その時点なりの“剣闘士の1人”を演じることが、できるんです。
ストイコなり、アブトなりの剣闘士が、ありえるように。
 
だけど「現国王と双児である、バスチーユの高貴な囚人」は、史実上でも、めったにないはず。おそらく唯一無二の存在なんでは。
ソルトレイク・シーズンに、ヤグディンはそれを、ほぼ完璧に演じきってしまった。当然、唯一無二の、強烈なイメージが残ります。
 
以上の理由で、「仮面」は封印してほしかったと、私は思います。幅出しした衣装とか、体形の変化という“見た目”だけで、ああだこうだ言ってるわけではないことを、判っていたただきたいです。
 
しかし・・なぜなんでしょうね?
「グラ」を練習してるってウワサは、聞いてたのに。
土壇場で「仮面」に変更したんでしょうか?
(その4.につづく)