「仮面」について、みじかい追伸。

けさ、目がさめたとき、ふと思い出した。
 
ヤグディンがSPを滑ったあと、FPを棄権した、スケート・アメリカ。
(彼はこのあとアマチュア引退したわけだが・・)
あのとき、彼はFPを滑るつもりで、衣装を着ていた。
そして、そのFPは「仮面」だった。
 
だから、ファンが見た、彼がアマチュアとして参加したコンペでの最後の姿は、「仮面」の衣装を着て、泣き顔のような笑顔で手をふる姿だった。
 
演技そのものではないけど、あれもまた忘れられない「仮面」の映像のひとつ。
 
あのとき滑るはずだった「仮面」に、もしかして彼は、ずっと思い残してたものがあったのかもしれない。
 
アイス・ショーで、地域別対抗コンペで、フィギュアスケート雑誌で見かける集合写真や、釣りや、山登りの写真で。
かれはいつも笑ってたから、そのことに気づかなかったけど。
滑れるだけで、しあわせ。そのことばを信じてたんだけど。
 
もう一度、「仮面」を滑っておきたい。
そう思ったんだとは思うんだけど・・それは判るんだけど。
 
もう、思い残しはないでしょう。
「仮面」だけは、封印してください。
やはり、それが私としての、結論です。