ラキーシャ退場・・決別の辞。

ゲスト、本家本元バリィ・ギヴ歌う『To Love Somebody』。
最高音こそむかしほど出ないが、艶あるファルセット、独特の大ぶりなビブラート健在。いやでも思い出す『小さな恋のメロディ』。
当然ながらジョーダンが歌った時とは比べようもなく、くっきり浮かぶジャック・ワイルドの笑顔・・泣いた、泣いた。
 
そして投票結果を聞いて、「ウソだろー!」と絶句。
 
たしかにラキーシャは、ジャンルの向き不向きで、良い時は強烈によく、アカン時は別人のように冴えず・・その差がはげしかった。
カントリーの時と、今回ビージーズの時が、彼女の“はずれ”。
様々なジャンルの課題をこなして勝ち抜く、番組の主旨からすれば、仕方なかったろう。2曲とも不完全燃焼だったからね。今回の出来だけで判断するなら、たしかに。
 
たぶんラキーシャは、多彩なジャンルを器用に歌いこなすよりは、自分に合った場所で、深い井戸を掘る人なんだと思う。
それは判ってた。そんな気配も含めて、彼女が好きだったから。
 
それにしてもだ・・
得意ジャンルさえに当たれば、この先、とてつもなく素晴しいものを産み出す可能性を秘めてたのは、ラキーシャだけだったと思う。
 
メリンダは明朗で華やかだが、感動より、「上手いな〜」って感心がいつも一歩先に来て、そこで終っちゃう。余韻がない。
ジョーダンはひたむきで、古風な歌を切々と歌いあげると、せつないほど可愛い。だが、なんとしても、まだ若すぎる。
ブレイクは器用・野心家・現代風だが、申しわけないが私には、彼の良さがよーわからん。beat boxがあまし好きじゃないせいかも。
 
残ったのは、ソフト・ドリンクと、甘いカクテルだけ。火酒はもうない。
大人の時間は終った。私の『アメリカン・アイドル#6』は、ほぼ終わった。(いや・・たぶん最後までつきあうけどね。否応なくテンションは落ちるだろう)
 
ラキーシャ・ジョーンズ、この名前を忘れない。このめったにない歌い手に、いつかどこかで、また出逢えると信じる。
その時には大好きなジャンルの歌を、惜しみなく深く、思いきり悲痛に、歌いまくってますように・・。