「TSUNAMI」はよかったよ〜

去年の年末、NHKで前・後編放送された「TSUNAMI」。
例のインド洋沖大津波のドラマ。地味だが、秀逸。
ふと見始めたこのドラマのおかげで、大そうじの予定が大幅に遅れて、困った。なにもギリ年末の夕方4時から放送せんでも・・☆
 
メインは英国から遊びに来た、親子3人の黒人一家。
ママは1人でダイビングのオプショナル・ツアー?参加。
パパは幼い1人娘と、海岸に残る。娘の浮き袋を取りにホテルへ引き返し、部屋のカギを取り出そうと、ほんの一瞬油断した瞬間に、大津波が・・・・!
 
生き残った夫婦の再会。感動は、すぐののしり合いに変わる、そして・・
楽しい話じゃない。ハッピーエンドじゃないし。
1人娘は行方不明。ネットで画像見つけて大喜びで会いに行くと、よく似た別の子だったり。(この子を連れ出してしまうママ、それを止められないパパの姿がつらい)
 
役者の演技が、たまげるほど上手い。それが、よくあるエピソードの地味なドラマを、上質にしてた。(とくに娘の遺体確認シーンを、表情だけで見せる女優の「泣き」の演技、素晴しい!)
 
めちゃ上手い役者ぞろいの中、とくに印象に残ったのが、英国人ジャーナリストの男。
前編では、死体安置所で死者にかけられた布を片っ端からめくり、白人の死者を数えたり。
「伝染病を防ぐため」と僧侶が身元不明の遺体を火葬にする場面を撮り、本国に送ろうとして、現地人カメラマンとケンカになったり、強引なマスコミぶりを発揮してるんだが。
 
後編、このジャーナリストは、1人娘の行方をさがすパパと酒場で知り合い、こんなウワサ話を聞く。
「村が1つ、まるごと津波で流された。村でただ1人生き残った男(ホテル従業員。このパパと仲がよかった)が、1人で小屋を建ててる。彼の一家はじいさんの代から、村に住んでた。しかし開発業者と役人がつるんで、その村の跡地に新しいホテルを建てようとしてる・・」
 
このウワサを元に、ジャーナリストは村の跡地を取材、大スクープをモノにする。
ジャーナリスト、ひとあし先に妻子の元へ帰った現地人カメラマンと、ケータイで話す。
「やったな。おめでとう」「ああ・・やったよ」
祝福の声に、そう答えるこのジャーナリストの、晴ればれしていながら重く、倖せと苦痛の重さを同時に耐えてるような眼が、忘れられない。このジャーナリスト役の役者はティム・ロス。(あんまり気に入ったんで、ネットで調べちゃった)
 
もう一度、じっくりゆっくり味わって見たいんで。深夜にでも再放送たのみますよ、NHKさーん!