S・キングなら映像より原作だろ、しかし・・

スティーブン・キングというと、映画にTVドラマにとやたら映像化されるわりには、原作を超える感動に出会ったことない、というのが、わが持論。
すでに原作に充分、映像的広がりがあるのね。そして独特の、簡潔で力強い文体。熱っぽい語り口。こういうのがすべてこぼれ落ちちゃう映像化は、けっきょく、原作には勝てないんだわ。
 
いちばん映像化で面白かったのは、NHK地上波で前・後編放送した『悪魔の嵐』。ただしこれは原作を読んでない。
追記:どうもキングみずからTV用に書き下ろした脚本らしい。だから他の作品に比べて、原作と映像までの距離感がないのか?
 
CSのドラマでもS・キングの名があると、つい見ちゃうが、感心したことないな〜。
『ローズ・レッド』は消化不良、遊園地のお化け屋敷どまり。『BONES』のブレナン博士役の女優さんや、『LOST』のロックの父親役の人と、いい俳優さん出てて、期待してたのに・・☆(中盤で出てきたピザ配達人は、たぶんキング本人)
 
『ナイトメア/S・キング8つの悪夢』も、期待せずに見たんだが。第2話『クラウチ・エンド』。これは、ちょっと拾いモノ。
 
★★★以下ネタバレあるかも!注意!★★★
 
新婚旅行中に友人宅に招待を受け、クラウチ・エンドという見知らぬ街に向かう夫婦。どうしても行き着けず、引き返すこともできない。まるで悪夢のよう。
街には「60人行方不明」の文字。正体不明のものに襲われそこねた夫の態度の変化。ドルイド教の生け贄の地という不気味な気配・・
 
・・と、前半ワケわからずモヤモヤしてたうちは、怖くて、面白かったが。後半、クトゥ○ーだの○グだの、なじみの地名が出てきたら、もうアカン☆ どんな異様なものであれ、正体が判っちゃうと、もう怖かないんですな。
CGの化け物登場には、爆笑を誘われたしな〜。蛇足もいいとこ。
 
どうやら原作は、ク○ゥルー神話(とくにラブ○ラフト御大)へのオマージュらしいから、そういう地名が出てくるのは仕方ないのか・・
この話、そういう意味づけせず、正体不明のまま終ったら、傑作になったんじゃないか?結末もヒネリが効いてて面白いのに。なんかすごく残念な後味だ〜。
 
ちなみに原作は『メイプル・ストリートの家』(文春文庫)所収のもよう。これ、未読なんで、明日にでも本屋に寄ってみっか。
なんだかんだ言って、ン十年以上前に読みハマってたS・キングや○トゥルー神話に復帰の気配だわな・・CSにノセられたかな?