追悼マイケル・ジャクソン-2 やっぱりスリラー絶品♪

マイケル・ジャクソン訃報の当日、フジTVだったか、緊急特番やってたな。追悼特番組まれる海外の大スターって、いまやマイケルくらいだろーな、と思いつつ見てた。
 
その中で放送された、大傑作MTV『スリラー』ノーカット版。きゃ〜きゃ〜大喜びしつつ、TVの前でときどき踊りながら見た。なつかし〜肩クキクキやるビートたけしダンス、かまきりダンス!
 
そして、何より、大好きなヴィンセント・プライスのナレーション!
このお人は『ナポレオン・ソロ』や『刑事コロンボ』にも出てたが、なによりハマー・プロの怪奇映画の大御所ですし。演技が大げさで、気品と貫禄あって、高尚でうさんくさくて、どんな役でもいつも楽しげに演じる人だったな〜♪
正直、『スリラー』というと私の期待度は、ナレーション40%、マイケル40%、バックダンサー20%の割合なのだな♪
 
いま見ると『スリラー』は、MTVというより、あっぱれ短編ミュージカル映画というべきか。
イマジネーションと現実がごっちゃになる、構成のうまさ。
曲とアレンジ(歌いっぷりも、もちろん!)のブキミな華やかさ。
映画館や墓場のセット、メイクや衣装の豪華さ。
なにより振付とダンサーたちの、鳥肌ものの見事さ!
 
マイケルの動きはもちろん、それについてくるバックダンサーのレベルの高さもすごい。主役マイケルはブキミさをほどよく抑えてるが、ゾンビになりきった数人は、ふわふわゆらゆらした動きが「関節、どこにあんの?」とききたくなるほど人間ばなれした動き。すげー!
 
これだけ構成よく練れてて、役者もダンサーもそろってて、ナレーションでホラー映画の歴史もふまえ、曲も振付も素晴らしいんだから、どうころんでも傑作になる。
それを大傑作にしたのは、じつはそれ以外の部分、「遊びごころ」なんだよね。 
 
監督にJ・ランディスを選んだのは、『狼男アメリカン』の経験のせいだろうけど、もしかしたら『スリラー』にあふれる遊びごころは、この人の個性なのかな、と思わなくもない。だって、ほかのマイケルのMTVにはこんなフンイキ、ないからね。
この時代のマイケル、ほんとに楽しそうだもの。だから、何度でも見たくなり、何度見ても飽きない。それが、『スリラー』を大傑作にしてる要素のひとつ。 
 
追悼番組のコメントで、誰だったか「彼はけっきょくスリラーを越えられずに自滅した」って言ってた人がいた。
たしかに・・『スリラー』は傑作だけど、越えられないほど高いハードルとは思えない。マイケルなら、もっと上があるはず。本人も、周囲も、ファンも、そう思っても不思議じゃなかった。
ところがその後、なぜかマイケルは、この遊びごころを失ってしまう。ハイレベルの力作『BAD』が『スリラー』を越えられなかったのは、ひとつには、この点にあると思うんだな。
 
で、次回『BAD』について書きます(自分にプレッシャーがけ☆)